石灰沈着性滑液包炎
石灰沈着性滑液包炎とは?
石灰沈着性滑液包炎は、肩の関節や周囲の組織にカルシウムが沈着することによって引き起こされる疾患です。特に肩に痛みや違和感がある方は、この疾患の可能性が考えられます。多くの場合、中年以降の女性に多く見られますが、男女を問わず誰でも発症する可能性があります。
- 急性の激しい痛み
- 慢性的な鈍痛
- 肩を動かすと痛みが悪化
- 夜間に痛みが強くなる
- 肩の可動域が制限される
突然の激しい痛みが現れ、数日から数週間続くことがあります。
急性期の痛みが治まった後も、慢性的な鈍痛が続くことがあります。
肩を動かすたびに痛みが増し、日常生活に支障をきたします。
特に夜間に痛みが強くなり、睡眠の質を低下させることが多いです。
痛みのために肩の動きが制限され、腕を上げたり背中に手を回したりすることが困難になります。
原因
石灰沈着性滑液包炎の原因はまだ完全には解明されていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。一般的に、以下の要因が関連しているとされています。
加齢
加齢に伴って、関節や周囲組織の変化が起こります。組織の変性や血管の衰えなどが石灰沈着を引き起こす可能性があります。
代謝異常
体内のカルシウム代謝の異常が石灰沈着を引き起こすと考えられています。特に、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症などの内分泌異常が関与する可能性があります。
炎症性疾患
関節の炎症性疾患や組織の慢性的な炎症が、石灰沈着を促進する可能性があります。これにより、石灰が関節や滑液包に沈着する過程が加速されると考えられています。
遺伝的要因
遺伝的な素因が石灰沈着性滑液包炎の発症に関与する可能性があります。家族歴がある場合、遺伝的な要因が病気のリスクを増加させることがあります。
外傷
肩関節や周囲組織に外傷がある場合、その部位での組織の変化が石灰沈着を引き起こす可能性があります。特に慢性的な負荷や反復的な運動が関与することが考えられます。
治療方法
石灰沈着性滑液包炎の治療は、大きく分けて保存療法、注射療法、石灰溶解療法、手術療法に分類されます。それぞれの治療法について詳しく説明します。
保存療法
石灰沈着性滑液包炎の治療は、大きく分けて保存療法、注射療法、石灰溶解療法、手術療法に分類されます。それぞれの治療法について詳しく説明します。
休息とアイシング
肩を安静にし、氷嚢を使用して患部を冷やすことで炎症を軽減します。
鎮痛薬の使用
市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を使用して痛みを和らげます。
※アセトアミノフェン:アセトアミノフェンは主に脳にある「体温調節中枢」に作用し、血管や汗腺を広げることで体外へ熱を逃し、熱を下げる働きをします。また、脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛や生理痛、関節痛などさまざまな痛みを和らげる働きをもっています。つまり、「解熱」と「鎮痛」という2つの効果を併せもつ成分です。
※イブプロフェン:解熱薬や鎮痛薬として使われる成分の一つです。痛みや熱の原因物質であるプロスタグランジンの体内での生成を抑え、鎮痛、解熱効果を発揮する他、抗炎症作用もあります。頭痛や関節痛、生理痛の他、かぜによる喉の痛みの緩和や解熱にも使用され、解熱鎮痛薬としてだけでなく、総合感冒薬(かぜ薬)にも配合されています。
処方薬
必要に応じて、医師の指示に従って処方薬を使用することもあります。処方薬は症状の重さに応じて選択されます。
理学療法士による運動療法
(リハビリ)
運動器リハビリテーション(Orthopedic Rehabilitation)は、骨・関節・筋肉・腱などの運動器系の機能回復を目指すリハビリプログラムです。石灰沈着性滑液包炎の患者さんに対しては、肩の機能を回復し、痛みを緩和するためにさまざまなアプローチが用いられます。以下に運動器リハビリで行われる主な治療法とエクササイズについて説明します。
- 関節モビリゼーション
- 関節の動きを改善するために行う手技です。特に肩関節の可動域を広げることを目的としています。
- 筋膜リリース
- 筋肉や結合組織の緊張を解放するための手技です。これにより、痛みの緩和と可動域の改善が期待できます。
当院では、患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、最適な治療を提供いたします。肩の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
注射療法
保存療法で十分な効果が得られない場合、医師による注射療法が検討されます。
ステロイド注射
炎症を抑えるためにステロイド薬を患部に直接注射します。これにより、短期間で痛みの軽減が期待できます。
※ステロイド:副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
石灰溶解療法
超音波ガイド下で針を使用し、沈着した石灰を洗浄または吸引する方法です。石灰の溶解や除去を目的としています。この方法は即効性があり、多くの患者に有効です。石灰を除去できるだけでなく、同時にステロイド注射を実施することもできます。特に石灰が大きく痛みが強い場合には迅速な症状緩和が期待できます。当院では、石灰溶解療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
手術療法
保存療法や注射療法が効果を示さない場合、手術をお勧めします。当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。
関節鏡手術
小さな切開を行い、関節鏡を使用して沈着した石灰を直接除去します。この手術は低侵襲であり、比較的短期間(入院期間は2〜3日)での回復が期待できます。
早期の診断と治療の重要性
石灰沈着性滑液包炎は、適切な治療を受けることで症状を大幅に改善することができます。
肩の痛みや違和感を放置すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、症状が悪化することもあります。
早期に診断を受け、適切な治療を始めることで、痛みのない快適な生活を取り戻すことが重要です。
石灰沈着性滑液包炎は、肩の痛みや可動域の制限などの症状を引き起こす疾患です。
保存療法、注射療法、リハビリの組み合わせにより、症状を効果的に管理することが可能です。
肩に痛みや違和感がある場合は、早めに専門医の診断を受け、適切な治療を開始することが重要です。
適切な治療により、痛みのない快適な生活を取り戻すことができます。
肩関節周囲炎
(四十肩・五十肩)
- 肩がズキズキ痛む
- 寝返りを打つと痛みで目が覚める
- 腕が上がらない
- 背中に腕が回らない
- 服の袖に手を通す時、高い場所にあるものに手を伸ばした時などに痛みが走る
このような肩の痛みで悩んでいませんか?そんな方は、五十肩の恐れがあります。五十肩とは、一般的に呼ばれている名称であり、正式な疾患名ではありません。正式名称を「肩関節周囲炎」といいます。肩がガチガチになって動かない場合は「凍結肩」という病名を用いたりします。五十肩は、肩の動きが制限され、痛みが生じる状態です。特に50歳以上の方に多く見られます。この痛みは、簡単な動作をする際にも大きな障害となり、日常生活に支障をきたします。早期の診断と治療を知ることが重要です。
肩関節周囲炎の症状の変化
四十肩・五十肩の病状は 「急性期」「慢性期」「回復期」 という3段階に分かれ進行します。
急性期
急性期は、強い痛みと炎症が特徴の初期段階です。この期間中は、安静にしつつ、冷湿布や薬物療法を用いて痛みと炎症を管理することが重要です。無理に動かさず、適切な治療を受けることで、次の慢性期への移行をスムーズにすることができます。
慢性期
慢性期は、痛みは軽減するものの、肩の可動域が制限され、筋力が低下する段階です。この期間中は、物理療法やエクササイズを中心に、肩の機能を回復させるための治療が行われます。適切なリハビリテーションと生活指導を受けることで、最終的な回復を目指し、肩の動きを取り戻すことが可能です。
回復期
五十肩の回復期は、痛みが減少し、肩の可動域と筋力が回復していく段階です。この期間中は、継続的なリハビリテーションと自主トレーニングを行い、肩の機能を完全に回復させることを目指します。適切なケアと注意を払いながら、日常生活での動作を徐々に取り戻し、肩の健康を維持することが大切です。
治療方法
五十肩には、いくつかの治療法があります。症状の進行具合や患者様のライフスタイルに合わせて、最適な治療法を選択することが重要です。
薬物療法
薬物療法では痛み止めの飲み薬や貼り薬が処方されます。一般的には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)※やアセトアミノフェン※が使用されます。これらの薬は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(プロスタグランジン類:炎症の原因となる物質)
※アセトアミノフェン:アセトアミノフェンは主に脳にある「体温調節中枢」に作用し、血管や汗腺を広げることで体外へ熱を逃し、熱を下げる働きをします。 また、脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛や生理痛、関節痛などさまざまな痛みを和らげる働きをもっています。
注射療法
注射療法には、ステロイド注射とヒアルロン酸注射があります。ステロイド注射は強力な抗炎症作用があり、痛みをすぐに和らげます。炎症を抑える効果があるので、急性期の激しい痛みに効果的です。ヒアルロン酸注射は、関節や滑液包に直接ヒアルロン酸を注入して関節の潤滑性を高め、摩擦を減らして痛みを和らげます。これにより、関節の動きがスムーズになり、痛みの軽減と機能の改善が期待できます。
※ステロイド注射:ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
※ヒアルロン酸注射:体の中にもともと存在するヒアルロン酸と同じ成分の製薬を使用した治療です。粘り気や弾力性を持ったヒアルロン酸を関節へ注入することで、痛みの緩和や関節の滑りが良くなるといった効果が期待できます。
理学療法士による運動療法
(リハビリ)
当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、ストレッチや筋力トレーニングを行います。肩の動きを改善し、筋力を高め、肩の機能を回復させます。また、日常生活での動作指導を行い、再発防止のために正しい姿勢や動作を習得するお手伝いをします。
当院では、患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、最適な治療を提供いたします。肩の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
生活習慣の改善
日常生活での姿勢や動作を見直すことで、肩への負担を減らすことができます。正しい姿勢を保つことや、簡単なストレッチや運動を取り入れることで、症状の改善が期待できます。特に、デスクワークをされている方や、長時間同じ姿勢を保つことが多い方には、定期的な休憩とストレッチが重要です。
早期の診断と治療の重要性
五十肩の痛みは我慢せず、当クリニックにご相談ください。
早期の診断と適切な治療が、快適な生活を取り戻すための第一歩です。
肩の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
五十肩は、放置すると症状が悪化し、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
早めに治療を開始することで、痛みの軽減と肩の機能回復が期待できます。
ぜひ一度、ご相談ください。あなたの健康と快適な生活を取り戻すために、サポートいたします。
上腕骨外側上顆炎
上腕骨外側上顆炎とは
上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)は、一般的にテニス肘(テニスひじ)とも呼ばれる疾患です。上腕骨外側上顆炎は、主に短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。
- 肘の外側に痛みや圧痛がある
- 握力の低下
- 手首や指を動かす際に痛みが強くなる
- 肘を伸ばしたり曲げたりするときの不快感
原因
反復的な動作
テニス、ゴルフ、バドミントンなどのスポーツや、パソコン作業、手作業などの頻繁な腕や手首の使用が原因となります。
不適切なフォーム
スポーツや作業時の不適切な動作や技術が筋肉や腱に負担をかけることがあります。
筋力不足や柔軟性の欠如:筋肉や腱が十分に強くない場合や柔軟性がない場合、過負荷がかかりやすくなります。
診断
問診・触診
痛みの場所、持続時間、発症のきっかけ、仕事やスポーツの内容などを詳しく聞き取ります。医師が肘や腕を触診し、痛みの場所や程度を確認します。
画像診断
X線で骨の異常を確認しますが、上腕骨外側上顆炎自体は通常X線には映りません。MRIで軟部組織や腱の状態を詳細に評価します。当院では、MRIは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
治療方法
保存療法(手術をせず、
まず最初に取り組む治療法)
理学療法士による運動療法
(リハビリ)
当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチを行います。肘の動きを改善し、筋力を高め、肘の機能を回復させます。また、日常生活での動作指導を行い、再発防止のために正しい姿勢や動作を習得するお手伝いをします。
患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、症状回復を目指します。肘の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
薬の服用などで症状を
軽減する方法(薬物療法)
非ステロイド性抗炎症薬
(NSAIDs)
イブプロフェンやナプロキセンなどの痛みや炎症を軽減する薬を使用します。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類)
局所ステロイド注射
強い痛みがある場合、局所にステロイドを注射することがあります。
※ステロイド注射:ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
手術療法
保存療法が効果を示さない場合や重症の場合、手術を検討いたします。手術は、炎症を引き起こしている部分の腱を修復することが目的です。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。
予防と日常生活で
気を付けること
スポーツや作業
テニスやゴルフなどのスポーツを行う際には、プロのコーチから正しいフォームを習得することが重要です。同様に、仕事や家事などの反復的な動作においても、正しい姿勢と動作を学びましょう。
筋力と柔軟性を高める
当院では、理学療法士によるリハビリによる筋力トレーニングやストレッチを実施しております。患者様の健康と生活の質の向上を目指し、専門的な知識と技術を駆使してサポートいたします。患者様が安心してリハビリテーションに取り組めるよう、常に寄り添い、丁寧なケアを心掛けています。
筋力トレーニング
前腕の筋力を強化するためのトレーニングを定期的に行うことが効果的です。
ストレッチ
筋肉と腱の柔軟性を維持するために、日常的にストレッチを行いましょう。特に、腕、肩、前腕のストレッチが有効です。
セルフトレーニング
クリニックでのトレーニングだけでなく、患者様が自宅でも続けられるセルフトレーニングの方法もお伝えしています。自宅でのセルフトレーニングは、継続的なリハビリテーション効果を維持するために欠かせません。理学療法士が、患者様の生活習慣や環境を考慮したトレーニングプランを提供し、自宅でも無理なく取り組めるように指導します。
適度な休息を取る
長時間同じ動作を続ける場合は、適度に休憩を挟むことが大切です。特にデスクワークの場合、1時間に一度は手首や腕を休めるようにしましょう。
適切な道具を使用する
スポーツ用具
テニスラケットやゴルフクラブなど、適切なサイズや重さの道具を選びましょう。グリップの太さも手に合ったものを使用することが重要です。
作業用具
作業を行う際には、適切な工具を選び、手に過度な負担がかからないように工夫しましょう。
日常生活で気を付けること
姿勢の改善
パソコン作業時には、椅子と机の高さを調整し、腕が自然にリラックスできる姿勢を保ちましょう。リストレストを使用して手首の負担を軽減することも効果的です。
重い物の持ち方
重い物を持ち上げる際には、腕や手首だけでなく、脚や腰を使って持ち上げるようにしましょう。また、物を持つときは、手のひらを上に向けて持つと前腕の負担が軽減されます。
定期的な運動
全身の血行を促進し、手首や指の筋力を強化するために、定期的な運動を行います。ヨガやピラティスなど、全身の柔軟性を高める運動も効果的です。
適度な負荷
仕事や趣味で腕を多用する場合は、過度な負荷を避け、適度な負荷で行うよう心がけましょう。
早期の診断と治療の重要性
上腕骨外側上顆炎は、早期に診断し適切な治療を行うことで、
その進行を抑え、生活の質を向上させることができます。
膝の痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
当クリニックでは、上腕骨外側上顆炎の診断と治療に専門的な知識と経験を持つ医師が対応しております。
あなたの健康と快適な生活のために、サポートいたします。ぜひ一度、ご相談ください。
外傷性頚部症候群(むちうち)
外傷性頚部症候群(むちうち)とは
外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)とは、一般的に「むちうち」として知られる症状群で、交通事故やスポーツ事故などで首に外的な力が加わることで発生します。この症候群は、頚椎や周囲の筋肉、靭帯、神経などに損傷を引き起こし、様々な症状を呈することがあります。
外傷性頚部症候群(むちうち)の症状は多岐にわたりますが、一般的には以下のような症状が見られます。
- 首の痛み:首の前後や側面に鋭い痛みや鈍痛が現れます。
- 肩こり:首から肩にかけての筋肉が緊張し、こりを感じます。
- 頭痛:後頭部から側頭部にかけての頭痛が頻発します。
- めまい:平衡感覚が乱れ、めまいを感じることがあります。
- しびれや麻痺:腕や手にしびれや麻痺が生じることがあります。
原因
外傷性頚部症候群(むちうち)の主な原因は、急激な外力が首に加わることです。具体的には以下のような状況が挙げられます。
交通事故
特に後方からの追突事故が主な原因となります。
スポーツ事故
ラグビーやサッカーなど、接触が多いスポーツでの怪我。
転倒や落下
不意の転倒や高所からの落下による衝撃。
診断
外傷性頚部症候群(むちうち)の診断は、問診と触診を基に行われます。
問診・触診
まず、患者の症状や事故の状況について詳しく問診を行います。次に、触診により首や肩の筋肉の緊張状態、圧痛点の確認を行います。これにより、痛みの部位や程度、範囲を把握します。
画像診断
画像診断は、損傷の詳細を把握するために行われます。主に以下の方法が使用されます。
- X線検査
- 骨折や脱臼の有無を確認します。
- MRI検査
- 筋肉や靭帯、神経の損傷を詳細に評価します。
- CT検査
- 骨や関節の状態をより詳細に確認します。
当院では、MRI・CTは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
治療方法
外傷性頚部症候群(むちうち)の治療方法は、症状の重さや原因によって異なりますが、大きく分けて保存療法、薬物療法、手術療法の三つに分類されます。
保存療法(手術をせず、
まず最初に取り組む治療法)
安静
首に負担をかけないようにするため、一定期間の安静が勧められます。
アイシング
炎症を抑えるために、患部を冷やします。
サポート具の使用
首の固定具(カラー)を使用して首を安定させます。
理学療法士による運動療法
(リハビリ)
当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチを行います。首の動きを改善し、筋力を高め、機能を回復させます。また、日常生活での動作指導を行い、再発防止のために正しい姿勢や動作を習得するお手伝いをします。
患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、症状回復を目指します。痛み箇所の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
薬の服用などで症状を
軽減する方法(薬物療法)
鎮痛剤
痛みを和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなど。
筋弛緩薬
筋肉の緊張を和らげるための薬。
抗うつ薬
慢性的な痛みに対する効果が期待される場合に使用。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類)
手術療法
保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、手術療法が検討されます。手術の種類は、損傷の程度や部位により異なります。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。
予防と日常生活で
気を付けること
外傷性頚部症候群(むちうち)は、早期に診断し適切な治療を行うことで、その進行を抑え、生活の質を向上させることができます。以下の日常生活での注意点を守ることで、予防につなげることができます。
正しい姿勢の保持
デスクワークや長時間の運転時には、首や肩に負担がかからないような姿勢を保つことが重要です。
適度な運動
関節の柔軟性と筋力を維持するために、適度な運動を行う。
適度な運動
首や肩の筋肉を強化するための運動を定期的に行う。
事故の予防
交通事故やスポーツ事故を避けるための適切な対策を講じる。
早期の診断と治療の重要性
首の痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
当クリニックでは、外傷性頚部症候群(むちうち)の診断と治療に専門的な知識と経験を持つ医師が対応いたします。
あなたの健康と快適な生活のために、サポートいたします。
ぜひ一度、ご相談ください。
腱板断裂
腱板断裂とは?
腱板断裂は、肩の回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる筋肉群の腱が部分的、または完全に切れてしまう状態を指します。回旋筋腱板は、肩甲骨から上腕骨に付着する筋肉群であり、肩関節の安定性と可動性を保つ重要な役割を果たしています。具体的には、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つの筋肉から構成され、これらが一体となって肩関節の動きをサポートしています。
腱板断裂は、特に中高年に多く見られる肩の障害です。老化に伴う腱の変性が主な要因ですが、転倒や重い物を持ち上げる際に起こる外傷も原因となり得ます。また、スポーツ選手や肩を酷使する職業の人々においても、反復的な動作により腱が摩耗し、断裂に至ることがあります。
腱板断裂の症状は、軽度から重度まで幅広く、以下のようなものが見られます。
- 肩の痛み
- 肩の可動域の制限
- 筋力低下
- 肩の動作時の違和感
特に夜間に痛みが強くなることが多く、寝返りを打つ際に痛みで目が覚めることがあります。痛みは肩の外側や上腕にかけて広がることがあり、特に肩を上げる動作で強く感じられます。
腕を上げる、後ろに回すといった動作が難しくなります。重度の場合、日常生活で必要な動作(例えば、物を取る、服を着る)ができなくなることもあります。
腱が断裂することで肩関節を安定させる力が失われ、肩全体の筋力が低下します。特に、腕を上げたまま保持することが困難になります。
腕を動かす際に「ガクッ」とした感覚や、不安定な感じを覚えることがあります。
原因
老化による腱の変性
年齢を重ねると、腱の血流が悪くなり、弾力性が低下します。これにより、腱が脆弱になり、断裂しやすくなります。特に50歳以上の人々に多く見られます。
急な外傷
転倒や腕を急激に引っ張られた際、または重い物を持ち上げた時に腱板が損傷することがあります。この場合、若い人でも腱板断裂が生じることがあります。
繰り返しの肩の使いすぎ
特定のスポーツ(野球、テニス、バレーボールなど)や、肩を頻繁に使う作業(建設業、工場労働など)を長年続けるこで、腱板に負担がかかり、徐々に断裂が進行することがあります。
診断
問診・触診
まずは患者の症状や過去の肩の怪我、痛みの発生場所、日常生活での不便さについて詳細に確認します。触診では、肩周囲を直接押して痛みがあるかを確認します。また、肩を動かした際の可動域の制限や筋力低下が見られるかも評価します。
画像診断
正確な診断を行うために、以下の画像検査が実施されることが多いです。
- レントゲン
- 骨の異常や、肩関節に石灰沈着があるかどうかを確認します。腱自体は映りませんが、腱板断裂がある場合、肩関節が不安定になり骨の変形が見られることがあります。
- MRI検査
- 腱板断裂の有無やその程度、周囲の組織の状態まで詳しく調べることができます。特に手術が検討される場合には、正確な診断が必要となります。
- 超音波検査
- 動的な検査が可能であり、肩を動かしながら腱の損傷を評価できます。また、非侵襲的で患者への負担が少ない検査です。
当院では、MRIは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
治療方法
腱板断裂の治療は、症状の重さや患者の年齢、活動レベル、原因に応じて、保存療法、薬物療法、手術療法の3つに分類されます。
保存療法
(リハビリテーション、薬物療法)
軽度の断裂や、加齢による自然な変性が原因の断裂では、まず保存療法が選ばれます。
リハビリテーション
当院では、経験豊富な理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションを提供しています。筋力トレーニングやストレッチを行い、肩の動きを改善し、筋力を強化することで、肩の機能を回復させます。具体的には、肩の安定性を高めるエクササイズや、関節の柔軟性を向上させるストレッチが行われます。また、日常生活における正しい姿勢や動作の指導も行い、再発防止を目指します。患者様一人ひとりの症状やニーズに応じたリハビリプランを提供しており、理学療法士の専門知識と研究に基づいたアプローチを組み合わせて、最適なリハビリを提供しています。肩の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
薬物療法
痛みが強い場合や、リハビリと併用して症状を和らげるために薬物療法が行われます。主に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が処方されます。これらの薬により、炎症を抑え、痛みを軽減することができます。場合によっては、局所にステロイド注射を行うこともありますが、これは一時的な効果にとどまることが多いです。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類)
※ステロイド注射:ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
手術療法
保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、または完全断裂など重度の腱板断裂が疑われる場合には、手術が検討されます。手術は主に関節鏡視下で行われ、腱の修復や再接着を行います。手術後はリハビリが重要で、再発防止と機能回復を目指して長期的なリハビリプランが組まれます。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。
予防と日常生活で
気を付けること
腱板断裂を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
適度な運動とストレッチ
肩周囲の筋力を維持し、柔軟性を高めることが予防につながります。特に肩を多く使うスポーツや仕事をしている方は、定期的なストレッチと筋力トレーニングを行うことが重要です。
正しい姿勢と動作
肩を無理に使うことを避け、日常生活や運動時には適切な姿勢を保つことが腱板への負担を軽減します。
早期の診断と治療
腱板断裂は、早期に診断し、適切な治療を行うことでその進行を抑え、生活の質を向上させることができます。肩に痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
早期の診断と治療の重要性
腱板断裂は、早期に診断し適切な治療を行うことで、その進行を抑え、生活の質を向上させることができます。
関節の痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
当クリニックでは、腱板断裂の診断と治療に専門的な知識と経験を持つ医師が対応いたします。
患者様の状態に合わせた最適な治療を提案し、あなたの健康と快適な生活をサポートいたします。
肩の痛みや可動域の制限でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
肘部管症候群
肘部管症候群とは
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)は、肘の内側にある肘部管(キュービタルトンネル)を通る尺骨神経が圧迫されることで発生する神経障害です。この状態は、手や指にしびれや痛み、筋力低下を引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。肘部管症候群は、肘を長時間曲げたり、圧力をかけたりする仕事(例:オフィスワーカー、大工や職人、野球選手、ゴルファー)をしている人に多く見られます。
肘部管症候群の症状は以下の通りです。
- しびれや痛み:特に小指と薬指に現れるしびれや痛み。
- 筋力低下:手の握力が弱くなり、物を持つのが困難になります。
- 感覚異常:手や指の感覚が鈍くなることがあります。
- 夜間の症状悪化:寝ている間に肘を曲げていると症状が悪化することがあります。
原因
肘部管症候群の主な原因は、尺骨神経の圧迫や伸展です。具体的には以下のような状況が原因となることがあります。
反復的な肘の動き
頻繁に肘を曲げ伸ばしする動作が多い職業やスポーツ。
肘の外傷
肘を打ったり、骨折したりした後に発生することがあります。
解剖学的な要因
生まれつき肘部管が狭い人も発症しやすいです。
診断
肘部管症候群の診断は、患者の症状と医師の診察に基づいて行われます。
問診・触診
まず、患者の症状や発生状況について詳しく問診を行います。次に、触診により尺骨神経の圧迫部位を確認し、神経の圧迫による痛みやしびれを評価します。
画像診断
正確な診断には画像診断が役立ちます。以下の方法が一般的に使用されます。
- X線検査
- 骨折や関節の変形を確認します。
- MRI検査
- 神経や周囲の組織の状態を詳細に評価します。
- 超音波検査
- 尺骨神経の圧迫や炎症の程度を確認します。
当院では、MRIは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
治療方法
肘部管症候群の治療は、症状の重さや原因によって異なります。大きく分けて保存療法、薬物療法、手術療法の三つに分類されます。
保存療法
(リハビリテーション、薬物療法)
保存療法では、手術を行わずに症状の軽減を図ります。以下のようなアプローチが取られます。
安静
肘を安静に保ち、動きを制限することで神経の圧迫を減らします。
サポート具の使用
肘を固定するための装具を使用し、夜間の症状悪化を防ぎます。
アイシング
炎症を抑えるために患部を冷やします。
リハビリテーション
当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチを行います。肘の動きを改善し、筋力を高め、機能を回復させます。また、日常生活での動作指導を行い、再発防止のために正しい姿勢や動作を習得するお手伝いをします。患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、症状回復を目指します。肘の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
薬物療法
薬物療法では、症状を軽減するために以下のような薬が使用されます。
鎮痛剤
痛みを和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェン。
ステロイド注射
炎症を抑え、痛みを軽減するために局所的に注射します。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類
※アセトアミノフェン:アセトアミノフェンは主に脳にある「体温調節中枢」に作用し、血管や汗腺を広げることで体外へ熱を逃し、熱を下げる働きをします。また、脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛や生理痛、関節痛などさまざまな痛みを和らげる働きをもっています。つまり、「解熱」と「鎮痛」という2つの効果を併せもつ成分です。
※ステロイド注射:ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
手術療法
保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、手術療法が検討されます。手術の種類は、神経の圧迫を解放する方法です。以下のような手術が行われます。
- 神経移行術
- 神経を圧迫部位から移動させ、圧迫を解消します。
- 肘部管開放術
- 肘部管を広げて神経の圧迫を解消します。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。
予防と日常生活で
気を付けること
セルフトレーニング
腕の柔軟性を高めるストレッチやエクササイズを日常的に行う。軽い手首のストレッチや握り運動を定期的に行うことで、筋肉と腱をリラックスさせます。セルフトレーニングは、継続的なリハビリテーション効果を維持するために欠かせません。理学療法士が、患者様の生活習慣や環境を考慮したトレーニングプランを提供し、日常的に無理なく取り組めるように指導します。
正しい姿勢の保持
デスクワークや長時間の立位時には、肘に負担がかからないような姿勢を保つことが重要です。
適度な運動
肘部の筋肉を強化するための運動を定期的に行う。
過度な圧力を避ける
長時間肘を曲げた状態でいることを避ける。
早期の診断と治療の重要性
肘部管の痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。当クリニックでは、肘部管症候群の診断と治療に専門的な知識と経験を持つ医師が対応いたします。あなたの健康と快適な生活のために、サポートいたします。ぜひ一度、ご相談ください。
凍結肩
凍結肩とは
凍結肩(とうけつかた)は、肩関節の炎症により肩の可動域が著しく制限され、痛みが伴う疾患です。一般的には「五十肩」とも呼ばれ、40〜60歳代に多く見られますが、年齢を問わず発症する可能性があります。主に関節包という肩関節を包んでいる組織が硬くなることで、肩の動きが制限され、痛みを引き起こします。特に、腕を上げたり、背中に手を回す動作が難しくなるのが特徴です。
- 痛みの増加期(初期)
- 可動域の制限期(中期)
- 回復期(後期)
最初は肩の痛みが徐々に強くなり、特に夜間や安静時に痛みが増すことがあります。この時期には、肩の動きはまだ比較的良好ですが、徐々に制限されていきます。
痛みは少し落ち着きますが、肩の可動域が大幅に制限されます。腕を上げたり、背中に手を回す動作が特に困難になります。この時期には、日常生活に支障をきたすことが多く、洋服の着脱や髪を洗う動作などが困難になります。
症状が軽減し、肩の可動域が少しずつ回復していきますが、完全に元の状態に戻るまでには数カ月から数年かかることがあります。
原因
加齢
年齢を重ねることで、肩関節の柔軟性が低下し、凍結肩を発症しやすくなります。
外傷や手術
肩のケガや手術の後に、肩をあまり動かさなくなることが凍結肩の発症を促進することがあります。
糖尿病や甲状腺疾患
これらの内分泌疾患がある人は、凍結肩を発症するリスクが高いとされています。
姿勢不良や肩の過度な使用
長期間にわたる悪い姿勢や肩を酷使する生活習慣も、凍結肩の発症リスクを高めます。
診断
凍結肩の診断は、主に問診、触診、そして画像診断を通じて行われます。
問診・触診
医師はまず、患者の症状や生活習慣について詳細に聞き取りを行います。肩の痛みがいつから始まったのか、どのような動作で痛みが強くなるのか、夜間の痛みの有無などを確認します。触診では、肩関節の可動域や痛みのある部位を調べ、他の肩関節疾患と区別します。
画像診断
凍結肩の診断には、X線やMRIなどの画像検査が行われることがあります。これにより、肩関節内の異常や、他の肩関節疾患(例えば肩腱板損傷など)との鑑別が可能になります。特にMRIは、肩関節の炎症や軟部組織の状態を詳細に確認できるため、診断に役立ちます。
当院では、MRI・CTは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
治療方法
凍結肩の治療は、症状の重さや原因によって異なり、大きく分けて保存療法と手術療法に分けられます。
保存療法(手術をせず、
まず最初に取り組む治療法)
凍結肩の治療において、最も一般的なのは保存療法です。特に、理学療法士による運動療法(リハビリテーション)が重要な役割を果たします。
当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、肩の筋力を強化し、可動域を広げるための筋力トレーニングやストレッチを行います。これにより、肩の動きを改善し、痛みを軽減させ、機能回復を目指します。また、日常生活での動作指導も行い、正しい姿勢や動作を学ぶことで、再発を防止します。
患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しており、最新の研究に基づいたアプローチと理学療法士の専門知識を活かして、最適な治療を行っています。肩の痛みや可動域の制限でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
薬物療法
痛みを緩和するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド注射などが処方されることがあります。これらの薬物は炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。特に、ステロイド注射は短期間で痛みを軽減し、リハビリテーションの効果を高めることが期待されます。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類)
※ステロイド注射
ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
手術療法
保存療法や薬物療法を試しても症状が改善しない場合、手術が検討されます。関節鏡視下肩関節授動術という手術が一般的で、肩関節内の癒着した組織を取り除き、可動域を広げることを目的とします。この手術は比較的侵襲が少なく、術後のリハビリテーションを続けることで良好な回復が期待されます。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。
予防と日常生活で
気を付けること
適度な運動と肩のストレッチ
長時間同じ姿勢でいることは、肩関節に負担をかける可能性があります。日常的に肩の柔軟性を保つために、軽いストレッチや適度な運動を取り入れましょう。特に、肩甲骨を動かす運動や、腕を上げたり回したりする簡単なストレッチが効果的です。運動は無理をせず、痛みが出ない範囲で行うことが重要です。
正しい姿勢の維持
日常生活における姿勢の悪さは、肩関節に負担をかけ、凍結肩のリスクを高めます。特に、デスクワークなどで長時間前かがみになる姿勢は、肩の動きを制限しやすいため、意識して背筋を伸ばし、肩甲骨を引き寄せるような姿勢を心がけましょう。定期的に姿勢をチェックし、正しい姿勢を維持することで、肩の負担を減らすことができます。
肩を冷やさない
肩を冷やすと血行が悪くなり、筋肉や関節の柔軟性が低下します。冬場など冷える時期には、肩をしっかりと保温することが大切です。特に、外出時や冷房の効いた場所では、ストールやカーディガンを使用して肩を冷やさないようにしましょう。
早期の診断と治療の重要性
凍結肩は、早期に診断し適切な治療を行うことで、その進行を抑え、生活の質を向上させることができます。
肩の痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
当クリニックでは、凍結肩の診断と治療に専門的な知識と経験を持つ医師が対応いたします。
あなたの健康と快適な生活のために、サポートいたします。
ぜひ一度、ご相談ください。