こんにちは。
院長ブログをご覧いただきありがとうございます。
鈴木整形外科は長野県松本市島立にある整形外科・リハビリテーション科のクリニックです。
院長の鈴木成典です。
オリンピックでスキー競技への関心が高まる季節となりました。スキーは爽快なスポーツである一方、転倒や急激な姿勢変化が生じやすく、整形外科で扱うスポーツ外傷が発生しやすい競技でもあります。日本整形外科学会関連の報告や長期診療統計をもとに、受傷傾向と予防策について整理します。
■ 膝関節:最も多い外傷部位
スキー外傷で最も多いのが膝関節です。報告では、下肢外傷の約7割が膝周囲に集中しています。
代表的なのが前十字靱帯(ACL)損傷です。
ACL損傷は、ターン中に後傾姿勢となり、膝が内側に入りながら強くひねられる動き(外反+回旋ストレス)で発生しやすいとされています。転倒しきれずにバランスを崩した場面や、片脚に荷重が集中した状態での急停止動作が典型例です。
近年はブーツやビンディングの改良により足関節外傷は減少しましたが、その分、膝への負担が相対的に増加していると考えられています。
前十字靱帯損傷についてはこちらでも解説しています。
https://seikei-suzuki.com/sports/
■ 肩・上肢の外傷
転倒時に手をつくことで肩関節脱臼、鎖骨骨折、手関節損傷などが起こります。ストックを握ったままの転倒では親指靱帯損傷(いわゆるスキーヤー母指)もみられます。特に疲労が蓄積する滑走終盤は注意が必要です。
■ ケガを防ぐためにできること
〜スキー前に行いたい下肢ストレッチと筋力トレーニング〜
スキー外傷で最も多い膝関節、特にACL損傷を予防するためには、柔軟性・筋力・バランスの3要素が重要です。
【1.下肢ストレッチ】
・ハムストリングス(もも裏)
前屈姿勢で膝を軽く伸ばし、20秒キープを左右2回
→ 膝のねじれストレス軽減
・大腿四頭筋(もも前)
立位で足首を持ち、かかとをお尻へ引き寄せる
→ ターン時の膝安定性向上
・ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)
壁に手をつきアキレス腱を伸ばす
→ 下肢全体の衝撃吸収能向上
滑走前に3〜5分行うだけでも効果が期待できます。
ストレッチ方法はInstagramでも紹介しています!
https://www.instagram.com/p/DNDFy2chR-m/
【2.膝を守る筋力トレーニング】
・スクワット(浅め)10回×2セット
→ 大腿四頭筋・ハムストリングス強化
・ランジ(前後)左右10回
→ 片脚支持時の安定性向上
・ヒップリフト(ブリッジ)10回×2セット
→ 股関節・体幹の連動性向上
【3.バランストレーニング】
・片脚立ち 30秒×左右2回
→ 神経筋制御を高め、ACL損傷リスク軽減
不安定な雪面では姿勢制御能力が極めて重要です。
正しい片脚立位の方法はこちら
https://www.instagram.com/p/C7T8djAAZ6i/
■ 最後に
滑走後も腫れや痛み、不安定感が続く場合は無理をせず、早めに整形外科を受診してください。早期診断と適切なリハビリが、競技復帰と再発予防につながります。

■ 参考文献
日本整形外科学会:スポーツ外傷・障害予防に関する提言
https://www.joa.or.jp/public/sports/
Kawae Y, et al. Anterior cruciate ligament injury in skiers. Japanese Journal of Clinical Sports Medicine 31(3)
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjcsm
著者 院長 鈴木成典
【略歴】
東筑摩郡山形村出身
岩手医科大学卒業(昭和61年)
信州大学整形外科教室入局
信州大学病院、厚生連安曇病院、厚生連篠ノ井病院、飯田病院、県立木曽病院、相澤病院に勤務
平成11年 松本市島立に鈴木整形外科を開業
【資格・所属学会】
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会スポーツ認定医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
