こんにちは!鈴木整形外科のブログをご覧いただきありがとうございます。 当院は長野県松本市島立にある、整形外科・リハビリテーション科のクリニックです。
1. はじめに
松本市周辺もすっかり暖かくなり、アルプス公園や薄川沿いを走るランナーの姿を多く見かけるようになりました。「今年こそフルマラソンに挑戦したい」「健康のためにジョギングを始めた」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、この時期に急に走行距離を伸ばしたり、久しぶりに運動を再開したりすることで増えるのが、膝の外側の痛みを主訴とする患者様です。
2. ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは?
ランニングによる膝の障害で最も代表的なのが、医学的に**「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」**、通称「ランナー膝」と呼ばれる状態です。
太ももの外側を走る大きな靭帯(腸脛靭帯)が、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、大腿骨の出っ張りと擦れて炎症を起こします。初期は「走った後に痛む」程度ですが、悪化すると「歩くだけで痛い」「階段がつらい」といった状態になり、大好きなスポーツを中断せざるを得なくなります。
詳しくはこちらから↓
https://seikei-suzuki.com/leg/
3. なぜ「走り込み」で痛むのか?
理由は大きく3つあります。
-
オーバーユース(使いすぎ): 急な距離の増加や、硬いアスファルト、坂道走行による過度な摩擦。
-
身体のアライメント(並び): O脚傾向の方や、足首の柔軟性が低い方は、構造的に靭帯が擦れやすくなります。
筋力不足と疲労: お尻の筋肉(中殿筋など)が疲れてくると、膝が内側に入りやすくなり、結果として外側の靭帯がピンと張って摩擦が強まります。
4. 膝を痛めてしまった時の初期対応
「おや?」と思ったら、まずは早めのケアが完治への近道です。
-
アイシング: 走った後に熱感や腫れがある場合は、15〜20分ほど冷やして炎症を抑えましょう。
-
積極的な休養: 痛みを我慢して走る「根性」は逆効果です。痛みが引くまではウォーキングや水泳など、衝撃の少ない運動に切り替えましょう。
フォームの見直し: 足の裏全体で着地できているか、歩幅が広すぎていないかを確認します。
5. 受診の目安:こんな症状はすぐに整形外科へ
以下の場合は、炎症が強くなっている可能性があるため早めの診察をお勧めします。
-
走らなくても、日常生活の階段や立ち上がりで膝の外側が痛む。
-
膝の外側を押すと鋭い痛みがある。
患部が腫れている、または赤くなっている。
6. 当院での治療方針
① 医師による的確な診断
エコー検査などで靭帯の腫れや炎症の程度を確認します。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の処方や、必要に応じて局所への注射を行い、まずは「痛みのサイクル」を断ち切ります。
② 理学療法士による根本改善(当院の強み)
当院のリハビリでは、単に痛いところをマッサージするだけでなく、**「なぜそこに負担がかかったのか」**を分析します。
- 柔軟性の改善: 腸脛靭帯と密接に関係する「大腿筋膜張筋」や「お尻の筋肉」のストレッチ指導。
- 筋力トレーニング: 膝のねじれを防ぐための、股関節周りの強
- インソール相談:靴の減り方から歩き方の癖を分析し、必要に応じて最適な靴選びのアドバイスも行います。
7. 膝への負担を減らすランニングのコツ
-
シューズの寿命をチェック: クッションが潰れた靴は衝撃を吸収できません。500〜800km走行が買い替えの目安です。
-
ウォーミングアップを怠らない: 股関節周りを動かしてから走り始めるだけで、膝への負担は激減します。
- コース選び: 常に同じ向きで周回コースを走ると、片側の脚にばかり負担がかかります。時々逆回りにしたり、土の道を走るのも有効です。
8. まとめ
「膝が痛いから走るのをやめる」のではなく、**「一生楽しく走り続けるための準備期間」**だと考えてみませんか?
「信州の爽やかな風を感じながら、また元気に走りたい」「松本マラソンを完走したい」といった皆様の目標を、鈴木整形外科スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。少しでも違和感を感じたら、お気軽にご相談ください。

【参考文献】
-
日本整形外科学会「腸脛靭帯炎」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/iliotibial_band_syndrome.html
-
日本スポーツ整形外科学会「ランニングによる膝の痛み」
- 日本理学療法士協会「理学療法ハンドブック:スポーツのケガ」https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook04_whole.pdf
著者 院長 鈴木成典
【略歴】
東筑摩郡山形村出身
岩手医科大学卒業(昭和61年)
信州大学整形外科教室入局
信州大学病院、厚生連安曇病院、厚生連篠ノ井病院、飯田病院、県立木曽病院、相澤病院に勤務
平成11年 松本市島立に鈴木整形外科を開業
【資格・所属学会】
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会スポーツ認定医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
