TFCC損傷とは
- 手首の小指側が痛い
- ドアノブを回すのがつらい
- 重いものを持つと手首に激痛が走る
手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome)は、手首の中にある狭いトンネル(手根管)を通る正中神経が圧迫されることで生じる症状です。この圧迫により、手や指に痛み、しびれ、筋力低下などが現れます。手根管は、骨と靭帯で構成されており、正中神経とともに腱が通っています。手根管症候群は、特に女性に多く、中年から高齢者にかけて発症しやすい疾患です。
症状
TFCC損傷の主な症状は、手首の小指側の痛みです。
- 動作時の痛み
- 安静時の痛み
- 握力低下
- 腫れ
- 不安定感
ドアノブを回す、タオルを絞る、重いものを持つなど、手首を捻ったり、小指側に曲げたりする動作で痛みが強くなります。
重症の場合には、安静時にも痛みを感じることがあります。
握力が弱くなり、物を持つのが困難になることがあります。
手首の小指側が腫れることがあります。
手首にぐらつきや不安定感を感じることがあります。
原因
TFCC損傷の原因は、大きく分けて外傷と変性の二つに分けられます。
外傷
転倒時に手をついた際に、手首を強く捻ったり、小指側に過度に曲げたりすることで発生します。スポーツ(野球、テニス、バドミントンなど)で、手首を繰り返し使うことでも発生することがあります。
変性
加齢に伴い、TFCCが変性し、薄くなったり、裂けたりすることで発生します。手首を酷使する作業(パソコン作業、手作業など)を長年続けている人にも多く見られます。
診断
TFCC損傷の診断は、問診、触診、画像診断などによって行われます。
尺側手根伸筋腱の障害や腱鞘炎との鑑別が重要になります。
問診・触診
患者さんの症状、痛みの程度、痛みの出現時期、痛みの誘発因子などを詳しく聞き取ります。また、手首を触診して、TFCCの損傷部位や炎症の有無を確認します。
画像診断
画像診断では、MRI検査などが行われます。
- X線(レントゲン)検査
- 骨折の有無や尺骨突き上げ症候群(尺骨が橈骨より長い状態)の有無を確認します。
- MRI
- レントゲンでは映らない軟骨や靭帯などの軟部組織を鮮明に映し出すことができます。TFCC周辺の靭帯(尺骨手根靭帯、月状三角靭帯など)や腱、軟骨、骨などに損傷がないかを確認できます。TFCC損傷に合併して、他の組織の損傷が起こっている場合もあるため、総合的に診断することが重要です。