腓腹筋断裂(肉離れ)とは
腓腹筋断裂、いわゆるふくらはぎの肉離れは、腓腹筋(ふくらはぎの主要な筋肉)が過度に引き伸ばされたり、強い力で収縮した結果、筋繊維が損傷する状態です。腓腹筋は、ふくらはぎの上部からかかとにかけて広がる大きな筋肉で、歩行やランニング、ジャンプなど多くの動作に関与しています。腓腹筋断裂は、スポーツや激しい運動中に発生することが多く、特にスプリンターやジャンパー、サッカー選手などに多く見られます。軽度から重度まで症状の範囲はさまざまで、適切な治療が必要です。
腓腹筋断裂の症状は、損傷の程度によって異なりますが、以下のようなものが一般的です。
- 急激な痛み
- 腫れと内出血
- 筋力低下
- 可動域の制限
筋肉が損傷した瞬間、ふくらはぎに鋭い痛みが走ることが多いです。痛みは通常、即座に現れ、歩行や立ち上がることが困難になります。
筋繊維が損傷した部位に炎症が起こり、ふくらはぎが腫れます。損傷の程度が重い場合、内出血が起こり、皮膚が青黒くなることもあります。
損傷した腓腹筋は弱体化し、ふくらはぎを使った動作が著しく制限されます。特に、つま先立ちができなくなったり、ふくらはぎに力を入れることが難しくなることがあります。
腓腹筋が損傷すると、足首を曲げたり伸ばしたりすることが困難になります。これにより、歩行や走行が制限され、動作に不自由を感じるようになります。
原因
腓腹筋断裂の原因は、通常、筋肉が過度に引き伸ばされたり、急激に強く収縮した場合です。
特に、以下のような動作で腓腹筋に過度の負担がかかり、肉離れを引き起こすことが多いです。
激しいスポーツや運動
短距離走、サッカー、バスケットボールなどのスポーツでは、急激なストップやジャンプが多く、それに伴い腓腹筋に大きな負担がかかります。
準備運動不足
運動前に十分なウォームアップをしないことで、筋肉が柔軟性を欠き、急な動作に対応できなくなります。これにより、筋繊維が損傷しやすくなります。
筋肉の疲労
長時間の運動や過度の練習により筋肉が疲労すると、筋肉の収縮力が低下し、損傷を引き起こすリスクが高まります。
診断
腓腹筋断裂の診断は、問診、触診、画像診断を組み合わせて行われます。
問診・触診
まず、医師は患者に腓腹筋断裂が起こった状況や痛みの程度について問診を行います。発症の瞬間の感覚や、どの動作が痛みを引き起こすかが重要です。触診では、腓腹筋の損傷部位を触り、腫れや痛み、筋肉の断裂感を確認します。
画像診断
より詳細な診断が必要な場合は、超音波検査やMRI(磁気共鳴画像)が用いられます。これにより、筋肉の断裂の有無や、損傷の範囲を確認します。特にMRIは、筋繊維の断裂や腫れの程度をより正確に把握するために有効です。当院では、MRIは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。