
膝タナ障害とは
膝タナ障害とは、膝の皿である膝蓋骨と太ももの骨である大腿骨の間にある滑膜ヒダが引っ張られたり、こすれたり、挟まれたりすることで炎症が起きる疾患です。滑膜ヒダとは、膝関節の潤滑油の役割をしている「滑膜」の一部です。本来胎児期から幼児期にかけて縮小していくのですが、その過程で一部がヒダとして残ってしまいます。滑膜ヒダは日本人の50%に見られるもので、スポーツなど運動を繰り返している人に膝タナ障害は多く見られます。
- 膝を押すと痛い
- 膝の曲げ伸ばしで音がなる
- 膝に違和感、引っかかり感がある
- 膝が腫れる
- 痛くて屈伸ができない、歩行動作に影響を及ぼす
これらの症状がある場合は、膝タナ障害を発症している場合があります。
同じ膝の症状として「半月板損傷」もありますが、これと膝タナ障害の違いとしては、ケガに関している部位と動作です。まず名前の通り半月板損傷は、膝関節のクッションとなる半月板が損傷することで発症します。原因としてあげられる動作は、運動中の急な方向転換やストップ、転倒によって起こり、膝タナ障害と比較して強い痛みと腫れに襲われます。このような半月板損傷との違いから、治療方法も異なるため、膝の痛みや違和感がある場合は整形外科を受診しましょう。
原因
膝タナ障害は滑膜ヒダがこすれたり、引っ張られたり、挟まれたりすることで炎症が起こり、痛みが発症する疾患です。主に膝の曲げ伸ばしが多発するスポーツに多く見られるもので、バスケットボールやバレーボールのようなジャンプや着地を繰り返す種目や、陸上競技のように高い出力で膝の屈伸運動をする種目も発症リスクが高まります。しかし、運動習慣のある人は誰しも起こり得る病気です。また、膝の外傷が原因となって滑膜ヒダがずれたり、押されたりすることで発症する場合もあります。
診断
膝タナ障害の診断では、タナテスト、画像診断が行われます。
タナテスト
医師による診察において、膝の内側を押さえられた状態で曲げ伸ばしをするものです。この時に痛みや引っかかりを感じる場合、膝タナ障害が疑われます。
画像診断
レントゲン検査では膝タナ障害は見えない場合もありますが、骨折などの他のケガを確認することもありますので、MRI検査と併せて受診をおすすめいたします。MRI検査では詳しい滑膜ヒダの状態を見ることができ、膝タナ障害の診断において有用とされています。
※当院では、MRIは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。