腱板断裂の治療は、症状の重さや患者の年齢、活動レベル、原因に応じて、保存療法、薬物療法、手術療法の3つに分類されます。
保存療法
(リハビリテーション、薬物療法)
軽度の断裂や、加齢による自然な変性が原因の断裂では、まず保存療法が選ばれます。
リハビリテーション
当院では、経験豊富な理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションを提供しています。筋力トレーニングやストレッチを行い、肩の動きを改善し、筋力を強化することで、肩の機能を回復させます。具体的には、肩の安定性を高めるエクササイズや、関節の柔軟性を向上させるストレッチが行われます。また、日常生活における正しい姿勢や動作の指導も行い、再発防止を目指します。患者様一人ひとりの症状やニーズに応じたリハビリプランを提供しており、理学療法士の専門知識と研究に基づいたアプローチを組み合わせて、最適なリハビリを提供しています。肩の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
薬物療法
痛みが強い場合や、リハビリと併用して症状を和らげるために薬物療法が行われます。主に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が処方されます。これらの薬により、炎症を抑え、痛みを軽減することができます。場合によっては、局所にステロイド注射を行うこともありますが、これは一時的な効果にとどまることが多いです。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類)
※ステロイド注射:ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。
手術療法
保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、または完全断裂など重度の腱板断裂が疑われる場合には、手術が検討されます。手術は主に関節鏡視下で行われ、腱の修復や再接着を行います。手術後はリハビリが重要で、再発防止と機能回復を目指して長期的なリハビリプランが組まれます。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。