治療方法|松本市の整形外科|鈴木整形外科

院長ノート DOCTOR-NOTE

治療方法

肘部管症候群の治療は、症状の重さや原因によって異なります。大きく分けて保存療法、薬物療法、手術療法の三つに分類されます。

保存療法
(リハビリテーション、薬物療法)

保存療法では、手術を行わずに症状の軽減を図ります。以下のようなアプローチが取られます。

安静

肘を安静に保ち、動きを制限することで神経の圧迫を減らします。

サポート具の使用

肘を固定するための装具を使用し、夜間の症状悪化を防ぎます。

アイシング

炎症を抑えるために患部を冷やします。

リハビリテーション

当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチを行います。肘の動きを改善し、筋力を高め、機能を回復させます。また、日常生活での動作指導を行い、再発防止のために正しい姿勢や動作を習得するお手伝いをします。患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、症状回復を目指します。肘の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。

薬物療法

薬物療法では、症状を軽減するために以下のような薬が使用されます。

鎮痛剤

痛みを和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェン。

ステロイド注射

炎症を抑え、痛みを軽減するために局所的に注射します。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類
※アセトアミノフェン:アセトアミノフェンは主に脳にある「体温調節中枢」に作用し、血管や汗腺を広げることで体外へ熱を逃し、熱を下げる働きをします。また、脳の中の発熱や痛みの情報を伝える物質を抑える作用があることから、頭痛や生理痛、関節痛などさまざまな痛みを和らげる働きをもっています。つまり、「解熱」と「鎮痛」という2つの効果を併せもつ成分です。
※ステロイド注射:ステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種で、細胞膜を通過して細胞の持つ免疫作用を調整します。それにより、腫れや痛みを抑えることができます。

手術療法

保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、手術療法が検討されます。手術の種類は、神経の圧迫を解放する方法です。以下のような手術が行われます。

神経移行術
神経を圧迫部位から移動させ、圧迫を解消します。
肘部管開放術
肘部管を広げて神経の圧迫を解消します。

当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。