肘部管症候群とは
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)は、肘の内側にある肘部管(キュービタルトンネル)を通る尺骨神経が圧迫されることで発生する神経障害です。この状態は、手や指にしびれや痛み、筋力低下を引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。肘部管症候群は、肘を長時間曲げたり、圧力をかけたりする仕事(例:オフィスワーカー、大工や職人、野球選手、ゴルファー)をしている人に多く見られます。
症状
肘部管症候群の症状は以下の通りです。
- しびれや痛み:特に小指と薬指に現れるしびれや痛み。
- 筋力低下:手の握力が弱くなり、物を持つのが困難になります。
- 感覚異常:手や指の感覚が鈍くなることがあります。
- 夜間の症状悪化:寝ている間に肘を曲げていると症状が悪化することがあります。
原因
肘部管症候群の主な原因は、尺骨神経の圧迫や伸展です。具体的には以下のような状況が原因となることがあります。
反復的な肘の動き
頻繁に肘を曲げ伸ばしする動作が多い職業やスポーツ。
肘の外傷
肘を打ったり、骨折したりした後に発生することがあります。
解剖学的な要因
生まれつき肘部管が狭い人も発症しやすいです。
診断
肘部管症候群の診断は、患者の症状と医師の診察に基づいて行われます。
問診・触診
まず、患者の症状や発生状況について詳しく問診を行います。次に、触診により尺骨神経の圧迫部位を確認し、神経の圧迫による痛みやしびれを評価します。
画像診断
正確な診断には画像診断が役立ちます。以下の方法が一般的に使用されます。
- X線検査
- 骨折や関節の変形を確認します。
- MRI検査
- 神経や周囲の組織の状態を詳細に評価します。
- 超音波検査
- 尺骨神経の圧迫や炎症の程度を確認します。
当院では、MRIは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。