骨粗しょう症とは
骨粗しょう症は、骨の密度が減少し、骨が脆くなりやすくなる疾患です。この状態では、わずかな外力でも骨折しやすくなります。特に高齢者に多く見られます。早期発見と治療が生活の質を向上させます。
症状
- 初期段階では自覚症状がほとんどない
- 身長の減少
- 進行すると背中や腰の痛み
- 骨折(特に手首、腰椎、大腿骨)
原因
- 加齢
- 遺伝的要因
- ホルモンの変化(特に女性の閉経後)
- 運動不足
- 栄養不足(特にカルシウムとビタミンD)
- 喫煙や過剰なアルコール摂取
診断
問診
痛みの場所、持続時間、発症のきっかけ、仕事やスポーツの内容、患者の病歴や生活習慣について詳しく聞き取ります。
画像診断
- X線検査
- 骨粗しょう症は主に骨密度と骨折の有無によって診断されます。骨折は本人が自覚していない脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折の場合もあり、診断のためにはレントゲン検査が必要になります。
※脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折
脆弱性骨折とは、骨の強度が低下している状態で、通常の外力や日常動作で発生する骨折です。主な原因は骨粗鬆症や加齢で、特に高齢者に多く見られます。 - 骨密度測定(DEXA)
- 骨の密度を計測する検査であり、骨粗しょう症の診断や骨折リスクの評価に使用されます。最も一般的な方法は、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXAまたはDXA)です。これは、低線量のX線を用いて骨の密度を測定し、腰椎や大腿骨などの主要な部位の骨密度を評価します。
診断基準※原発性骨粗しょう症
脆弱性骨折がある場合 | ・背骨(椎体)、または脚の付け根(大腿骨近位部)の骨折 ・その他の脆弱性骨折があり、骨密度がYAMの80%未満 |
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脆弱性骨折がない場合 | 骨密度がYAMの70%以下、または-2.5SD(標準偏差)以下 |
※YAM : 若年成人平均値(腰椎/20∼44歳、大腿骨近位部/20∼29歳)
骨密度は原則として腰椎骨密度、もしくは大腿骨近位部骨密度
骨粗鬆症の検査は定期的に
骨量は年齢や閉経によって変化しますが、骨が成長する10代に過度なダイエットや偏食を行っていた方は、そもそもの骨量(骨密度)が他の人より低いことがあります。骨量(骨密度)が低下してくる40歳ごろから骨粗鬆症の検査を受けて自分の骨の状態を把握しておくことが重要です。把握しておけば、もし骨量(骨密度)が低めの数値でも、食生活や運動で改善を目指すことができます。
また、以前に骨粗鬆症の検査を受けて問題がなかった方でも、閉経を迎えるなどして骨量がガクッと落ち込んでいる場合があります。定期的に検査を受けて“今の”骨の状態を確認しましょう。