野球肘の診断は、問診や触診、画像診断を通じて行われます。
問診・触診
まず、医師は患者の症状や経過について詳しく聞き取ります。投球後の痛みの有無、可動域の制限、肘を動かした際の痛みの部位などが重要な情報です。次に、触診によって肘関節周囲の痛みの程度や炎症の有無を確認します。肘の内側や外側を圧迫し、痛みが出るかどうかを調べることで、損傷の程度を把握します。
画像診断
X線やMRIなどの画像診断を行うことで、肘関節の状態を詳細に評価します。特にX線では、骨の成長線の異常や骨端部の分離、変形などを確認することができます。MRIでは、軟骨や靭帯の損傷状態を詳しく調べることができ、治療方針を決定する上で重要な情報が得られます。
当院では、MRI・CTは出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。
ストレステスト
野球肘のストレステストは、肘関節に対して特定の負荷をかけることで、内側側副靱帯や周囲の軟部組織に異常がないかを評価する方法です。具体的には肘を屈曲しながら手首に外反や内反の力を加え、痛みや違和感が生じるか確認します。日本高校野球連盟が提供する「投手関節機能検診マニュアル」などを参考に、正確な手順を踏んで行うことで、肘の状態を正しく診断できる場合があります。