腰椎分離症の治療は、症状の重さや原因によって異なります。大きく分けて保存療法、薬物療法、手術療法の三つに分類されます。
保存療法(手術をせず、
まず最初に取り組む治療法)
保存療法では、手術を行わずに症状の軽減を図ります。以下のようなアプローチが取られます。
安静
腰に負担をかけないよう、一定期間の安静が勧められます。
コルセットの使用
腰をサポートし、動きを制限するためのコルセットを使用します。
温熱療法
患部を温めて筋肉の緊張を和らげます。
理学療法士による運動療法
(リハビリ)
当院の理学療法士(PT)による運動器リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチを行います。腰部の動きを改善し、筋力を高め、脊椎の機能を回復させます。また、日常生活での動作指導を行い、再発防止のために正しい姿勢や動作を習得するお手伝いをします。
患者様一人ひとりの症状やニーズに合わせたリハビリプランを提供しています。研究に基づいたアプローチと、理学療法士の専門知識を活かし、症状回復を目指します。腰部の痛みや可動域の制限でお困りの方は、ぜひ当院へご相談ください。
薬物療法
薬物療法では、症状を軽減するために以下のような薬が使用されます。
- 鎮痛薬
- 痛みを和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェン。
- 筋弛緩薬
- 筋肉の緊張を和らげるための薬。
- 抗うつ薬
- 慢性的な痛みに対する効果が期待される場合に使用。
※非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsはアラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、炎症の原因となる物質の生成を阻害します。(炎症の原因となる物質:プロスタグランジン類)
手術療法
保存療法や薬物療法で効果が見られない場合、手術療法が検討されます。手術の種類は、損傷の程度や部位により異なりますが、以下のような方法があります。
- 椎弓切除術
- 分離した椎骨の部分を除去し、神経の圧迫を軽減します。
- 脊椎固定術
- 分離した椎骨を固定し、脊椎の安定性を高めます。
当院では、手術療法は出来かねますので必要に応じて、近隣の関連病院である信州大学病院、相沢病院、丸の内病院に紹介させていただきます。術後は医師と理学療法士が細やかな連携をとりリハビリテーションを行います。