坐骨神経痛
坐骨神経は人体の中で最も太い神経であり、腰から出て臀部を通り、ふくらはぎから足へとつながる長い神経です。「坐骨神経痛」はこの坐骨神経が通っている場所に生じる痛みの総称です。症状としては、臀部から太ももにかけて痛みやしびれが生じたり、腰を反らすと下肢に痛みやしびれが生じたりすることがあります。
腰椎分離症
スポーツなどで繰り返される伸展や回旋によって腰椎に負荷がかかることで起きる、関節突起間部の疲労骨折が原因と考えられており、発育期のスポーツ選手や日常的に腰部に大きな負荷のかかるかたに好発します。
変形性股関節症
足の付け根にある股関節に痛みを起こす病気を持つ人は全国で400~500万人いると言われており、そのうちの大半が変形性股関節症であると考えられています。股関節の軟骨がすり減り骨が変形してしまうことで、関節の痛みや機能障害が生じます。
側弯症
背骨が左右に弯曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。思春期の女性に好発し、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭(きょうかく)の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)、などの変形を生じます。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管が狭くなり、下肢にしびれや痛みなどが生じることがあります。2~300メートル歩いただけでも痛みやしびれが生じ、続けて長い距離を歩くことが困難となってきます。また、進行すると下肢の筋力が落ちたり、尿の出が悪くなって尿漏れなどが生じる膀胱直腸障害を認めたりすることもありますので注意が必要です。
慢性腰痛症
腰の痛みが3ヵ月以上続く状態を慢性腰痛といい、腰に異常がないのに痛みが続く場合と、腰の異常が治ったのに痛みが続く場合の2つのタイプがあります。どちらの場合も、痛みが長引く状態が続き、体内の痛みを抑える力が弱まって痛みが発症しています。
急性腰痛症(ぎっくり腰)
重いものを持ち上げたり、急に腰をねじる動作をしたりした際に発症します。筋、筋膜性の痛みからくる場合や、椎間関節の炎症により発症する場合がほとんどです。椎間関節性の痛みは腰を反った状態(後屈位)での痛みが顕著であり、仰向けで寝ることができないことが多く、痛みで眠れないこともあるほどです。
腰椎椎間板ヘルニア
椎間板は線維輪と髄核でできており、クッションの役目をしています。その一部が出てきて神経を圧迫することで、腰や臀部に痛みが生じたり、下肢にしびれや痛みが放散したりします。また、足に力が入りにくくなり、筋力の低下が認められる場合もあります。
股関節臼蓋形成不全
(発育性股関節形成不全)
股関節臼蓋形成不全(発育性股関節形成不全)とは、股関節の臼蓋(骨盤のくぼみ)が正常に形成されておらず、大腿骨の骨頭が正しく収まらない状態を指します。この異常により、股関節が不安定となり、痛みや可動域の制限、歩行困難を引き起こすことがあります。特に女性に多く見られ、遺伝や出産時の骨盤位などが原因とされています。
大腿骨頭すべり症
思春期の10歳から16歳の肥満の男児に多くみられます。大腿骨頭が成長軟骨板で離開が起きることで、骨端(骨の端)が頸部に対して後方に転位する疾患です。股関節の痛みと可動域制限を生じ、進行すると下腿全体に痛みを感じたり歩行異常が認められたりします。
単純性股関節炎
3~8歳位の学童期にみられる股関節痛をきたす関節炎で、小児の股関節痛の中でもっとも頻度が高い疾患です。風邪を引いた後や運動後などに発症することが多く、2~3週間ほどで症状が消退する場合がほとんどです。
ペルテス病
股関節における大腿骨頭の血行障害により生じる壊死の病気をいいます。5~7歳位の男子に多くみられ、膝や太ももに痛みが出て足を左右不均等に引きずりながら歩いている場合があります。放置したり、診断が遅れたりすると骨頭変形が進行し手術に至ったりする場合がありますので注意が必要です。