足関節捻挫について|松本市の整形外科|鈴木整形外科

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院長ノート DOCTOR-NOTE

足関節捻挫について

こんにちは!院長ブログをご覧いただきありがとうございます。

鈴木整形外科は長野県松本市島立にある、整形外科・リハビリテーション科のクリニックです!!
今回の院長ブログでは足関節の捻挫についてお話させて頂きます。
温かくなってきて、運動も増え、捻挫などの怪我増える時期かと思いますのでぜひ知っておきましょう!

― 病態・症状・治療の流れ ―
1.足関節捻挫とは
足関節捻挫は、日常生活やスポーツ活動中に最も多くみられる外傷のひとつです。
多くは足首を内側にひねることで発生し、足関節外側の靭帯を損傷します。

特に損傷しやすい靭帯は以下の3つです。
前距腓靭帯(Anterior talofibular ligament:ATFL)
踵腓靭帯(Calcaneofibular ligament:CFL)
後距腓靭帯(Posterior talofibular ligament:PTFL)
なかでも**前距腓靭帯(ATFL)**が最も損傷頻度が高いとされています。

2.病態(何が起きているのか)
足関節捻挫は単なる「伸びた」状態ではなく、靭帯の微細損傷から完全断裂まで幅があります。
一般的に重症度は以下のように分類されます。

■ Grade I(軽度)
靭帯の微細損傷。腫れや痛みは軽度。関節の不安定性はほぼなし。
■ Grade II(中等度)
靭帯の部分断裂。腫脹・皮下出血が明らか。歩行時痛あり。
■ Grade III(重度)
靭帯の完全断裂。著明な腫脹、出血、関節の不安定性あり。
重要なのは、「骨折を合併していないか」「関節の不安定性が残っていないか」を評価することです。

3.主な症状
足関節外側の痛み
腫れ(腫脹)
皮下出血(内出血)
体重をかけると痛い
不安定感(ぐらつき)
重度の場合は、受傷直後に歩行困難となることもあります。

4.診断の流れ
① 問診
受傷機転(どのようにひねったか)が非常に重要です。
② 視診・触診
腫れや圧痛部位を確認します。
③ 画像検査
レントゲン:骨折の有無を確認
必要に応じて超音波検査やMRI
※Ottawa Ankle Rulesに基づき、骨折の可能性を判断します。

5.治療の流れ
(1)急性期(受傷直後〜数日)
基本はRICE処置です。
Rest(安静)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
痛みが強い場合は装具固定や松葉杖を使用します。
(2)回復期
痛みが落ち着いてきたら、早期から適切なリハビリテーションを開始します。
ここが非常に重要です。
関節可動域訓練
筋力トレーニング
バランス訓練(固有感覚訓練)
歩行練習
単に「痛みが引いた=治った」ではありません。
(3)復帰期
スポーツ復帰前には、
片脚立位保持
ジャンプ動作
切り返し動作
などの機能評価を行います。

6.後遺症として問題になるもの
適切な治療を行わないと、
慢性足関節不安定症(CAI)
捻挫の反復
変形性足関節症
へ移行することがあります。
実際、足関節捻挫の約30%が慢性不安定症へ移行すると報告されています。

7.当院で大切にしていること
正確な評価(骨折の除外・靭帯損傷の重症度判定)
早期からの段階的リハビリ
再発予防を見据えた機能改善
生活背景・競技特性に合わせた復帰支援
足関節捻挫は「軽いけが」と思われがちですが、
適切に治療すればきちんと治り、放置すれば繰り返します。
違和感がある場合は、自己判断せず早めの受診をおすすめします。


詳しくはこちらから↓
https://seikei-suzuki.com/leg-disease#leg-disease07



参考文献
1.Hertel J.
Functional Anatomy, Pathomechanics, and Pathophysiology of Lateral Ankle Instability.
Journal of Athletic Training. 2002;37(4):364–375.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC164373/

2.Doherty C, Delahunt E, Caulfield B, Hertel J, Ryan J, Bleakley C.
The incidence and prevalence of ankle sprain injury: a systematic review and meta-analysis.
Sports Medicine. 2014;44(1):123–140.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24105612/

3.van Rijn RM, et al.
What is the clinical course of acute ankle sprains? A systematic review.
American Journal of Medicine. 2008;121(4):324–331.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18374690/

4.Martin RL, Davenport TE, Paulseth S, et al.
Ankle Stability and Movement Coordination Impairments: Clinical Practice Guidelines.
Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2013.
https://www.jospt.org/action/consumeSharedSessionAction?JSESSIONID=DB5C97906D74F9777092ABC1B47D67EB&MAID=8VUHrP7CFEuh6b%2BYq%2BnUfw%3D%3D&ORIGIN=484525871&RD=RD&exp=985QH%252FPmZHUa9oqukJU1Yw%253D%253D

著者 院長 鈴木成典

【略歴】

東筑摩郡山形村出身

岩手医科大学卒業(昭和61年)

信州大学整形外科教室入局

信州大学病院、厚生連安曇病院、厚生連篠ノ井病院、飯田病院、県立木曽病院、相澤病院に勤務

平成11 松本市島立に鈴木整形外科を開業

【資格・所属学会】

日本整形外科学会専門医

日本整形外科学会スポーツ認定医

日本スポーツ協会公認スポーツドクター